台北市郊外、板橋市の大型ビジネスビルに見晴らしのよいオフィスを構える?竣清氏は、多くのクライアントを抱えるコンサルタントとして、自信に満ちた強いまなざしと口調で、取材に応じてくれた。
「4年前にたった一人でウェブサイト制作業務を開始しました。当初はなかなか仕事もなく、とにかくメールをたくさん出すことからはじめて、営業のためには思いつくあらゆる手段を試みました」
そうした経験を経て独自のコンサルティング手法を開発し、2年前に法人化。ショッピング・サイト構築・運営コンサルティングの分野で業務拡張し、今日に至っている。
現在は16名の社内スタッフと、外部ネットワークをフルに活かして、月間80件平均の受注に対応している。生花やお茶・衣料品を小売りするB
to Cサイト、小売店に商品を卸す問屋サイトなどB
to Bサイトも手がけている。
「私の仕事の特徴は、ショッピング・サイトを開業した事業主たちに定期的に売り上げアップのための講習会を行っていることにあります。毎週火曜日に1回2時間程度の内容で、クライアントの参加は無料、一般参加者も有料で参加することが出来ます」
講習会では、ショッピング・ポータルサイトでどのように売り上げを伸ばすか、そのためにサイトをどのように運営したらよいかなど、実践的なアドバイスを受けることができる。
「商品構成や売り上げ管理、ショーウィンドウとも言うべきショップの設計・デザイン・Flash制作の手法まで詳細にコンサルティングします」と語る?氏は、台北市電子商務協会理事の肩書きも持つ。ショップのオーナーばかりでなく、同業の制作会社に対しても顧問として、ショッピング・サイト構築に関するノウハウを提供するほど、その手法は信頼を得ている。
講習会は、台北をはじめ台中・高雄で開催。幅広い業種の事業主が参加し、異業種交流の場にもなっている。こうした多くのショップ運営に関わるなかで、?氏はさまざまなアイデアを実践している。
「私のアイデアとは、例えばこういうことです。講習会に参加している花屋さんとお茶屋さんを結びつけて、花を購入したお客様にお茶を購入する際に利用出来るクーポン券をプレゼントする、すると相乗効果で両方の集客効果が上がります」
またクライアント企業にビル清掃会社が多かったことから、それぞれのサイトにお互いの連絡先を掲載するということを提案した。
「そうすると、例えば台中のビル・オーナーが検索サイトでビル清掃会社を検索したときに、たまたま台北の会社が上位でヒットした場合も、そのサイトから最寄りの台中の会社へと誘導出来るというわけです」
クライアント間でも情報を共有し、相互の顧客動向をつかむことで、全体として売り上げ増につながるというのは、まさにネットならでは効果といえるだろう。
スタッフは、Yahoo!ショッピングなどポータルサイトの、ユーザーの書き込み・クチコミ情報を常にチェックして、売れ筋商品・ユーザー動向を分析している。
実際の店舗に比べて、洋服や食料品などは手にとって確認出来ず不利なのでは、という質問には、
「ネットでは割引価格を設定していますし、顧客の売れ筋をリアルタイムで把握し、それにあわせた品揃えが出来るわけですから、その心配はないですね」と自信をみせる。
各クライアント・ショップからは日々売り上げデータが報告され、その解析を行っている。
「そうしたデータに基づき、さらにクライアント・ショップ全体の売り上げ戦略を練り上げていくわけです」
台北の街には、正式な店舗から路上の屋台販売までさまざまな商売が密集し、それが一種の観光資源になっている。バーチャルな世界のショップを構築する?氏の目にはもう一つの同じ光景が見えているに違いない。日本とはサービスや宣伝方法などさまざまな点で違いもあるが、常にデータから利用者のニーズを読み取りフィードバックを重ねる?氏の手法には参考となる点も多いはずだ。