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“年末商戦(ホリデイ・シーズン)”


2002年12月19日

▼ ホリデイ・シーズン

欧米各国の店舗などでは、11月最終週あたりからクリスマス・プレゼント用の顧客を相手に様々なキャンペーンやセールが行われ、ホリデイ・シーズンが始まります。お店側からしてみれば、一年に一回の大きな稼ぎ時であり、また消費者側もクリスマスぐらいは楽しく過ごそうと、つい普段より多く買い物をしてしまう時期です。この現象は、インターネットの世界でも一緒であり、多くのイーコマース・サイトは、この時期に売上を伸ばそうと必至です。 今年は業界全体売上の見通しも良く、かなりの売上アップが期待されています。各リサーチ会社によって見通しは違うものの、少なく見積もっているところでも、2ケタ台のアップ率を見込んでいます。最も楽観的な予測をしている、GartnerG2社は去年のホリデイ・シーズンと比べ、北米でのイーコマース全体の売上は32%アップと予測しています。逆に悲観的な予測を立てている、フォレスターリサーチでさえ14%のアップと言う予測です。そのため、各サイトの様々なプロモーションやキャンペーンがこの時期に集中します。 ちなみにスタンダード・アンド・プアーズ社による、今年同シーズンのリアルの世界での全体売上予測は、僅か2-3%アップに留まっています。このような予測を見ると、オンライン・ショッピングも定着し、リアルとウェブの壁はどんどんなくなっているように思えます。

▼ ブラック・マンデー

アメリカでは11月最終週の、感謝祭翌日の金曜日をブラック・フライデーと呼ぶことがあります。それは皆がクリスマス・ショッピングを始める日であって、赤字のお店でもその日は黒字になるから、という理由でです。一方インターネットの世界では、感謝祭後の月曜日が同じような理由でブラック・マンデーと呼ばれています。なぜ月曜日なのか?感謝祭の週末明けの月曜は、仕事が始まる日であり、会社のPCなどを使いショッピングをするからだと言われています。自宅より早い会社のインターネット回線で、暇な時間に買い物を済ませるという習慣が定着しつつあるようです。リアルの世界と若干動向が違いますが、各サイトは、そういった顧客動向を把握し、的確にアピールしなくてはなりません。

▼ 商品の品揃えの充実
 〜Sears (http://www.sears.com/)


多くのサイトは、このシーズンに会わせ品揃えの充実化を図ります。大手百貨店のシアーズ(sears.com)が目を付けたのは、DVDです。現在売れ行き絶好調のDVDソフトですが、シアーズの通常の店舗ですと、DVDプレーヤーは売っていますが、ソフトはほとんど取り扱いがありません。しかし他サイトなどで、あまりにDVDソフトが売れていると言うことに気付き、インターネット上での販売をスタートさせました。このような柔軟な動きは、インターネット特有のものです。シアーズ全店舗でDVDソフトの販売を始めようとしても、大変な労力及び膨大な在庫を揃えなくてはなりませんが、ウェブサイトのみでの展開であれば、配送センターにある程度の在庫さえ置いておけば、流通させることは可能です。

現在店舗でも、限られた種類のDVDソフトを扱っていますが、ウェブ上のDVDカタログのほうが、充実しているのは確かです。そのため各商品ページに、「シアーズの各店舗は、ウェブ上の全商品を取り扱っているとは限りません(Not all products are available in every Sears store.)」と注意書きがあります。このような文章を読むと、クリスマス・ショッピング同様、リアルとウェブで立場が逆転したのではと錯覚してしまいます。

実際店舗では、DVDプレーヤーも低価格化が進み、売れ筋商品の一つです。シアーズでDVDプレーヤーを購入した顧客をウェブサイトに結びつけられる商品と言えば、DVDソフトなのです。またソフト自体も$10台〜$20台が平均価格のためクリスマス・プレゼントとしては最適な価格になっています。シアーズは絶好のタイミングと素早い判断で商品の充実化ができたといえます。

▼ クリスマスにまだ間に合う!
 〜Barnes & Nobles (http://www.barnesandnoble.com/)


また一年で最も売上が多い日として、多くのサイトは、今年の場合、12/20ぐらいだと言うでしょう。何故かと言うと、買った物をクリスマス当日に着くようにするには、12/20がほぼ最後の日だからです。またその日で、クリスマス休暇に入ってしまう人が多く、休暇中はインターネットの利用頻度も減るからです。そのため12/20の金曜は駆け込み寺のように、お客さんが押し寄せる日となります。

そこでこの状況を逆手にとってプロモーションをしているのが大手書籍店のBarnes & Noblesです。サイトを見るとまず、商品の宣伝より、まず大きく“Its not too late”(まだ間に合う)と 言ったキャッチコピーがスクリーン上に出てきます。その下に“クリスマス着のお届けは、あと5日間”。明らかに“早く買って”と言うメッセージを出しています。またそこから親切に配送スケジュールなども見ることができます。多くの人は、商品の中身より、とにかく「間に合わせる」ことが重要なのです。

サイト上ではクリスマスらしい装飾が施されていますが、どちらかと言うとあまり和やかなイメージではありません。どちらかと言うと“まだ買ってないの?”と言う焦りを煽るようなデザインに思えます。のんびりしたクリスマスも良いですが、「プレゼントを買わないと」と言うプレッシャーが多くの人にとっては現実です。各サイトはこのような人たちには、とても使いやすいショッピングとなっており、売上大幅アップの予測も頷けます。

▼ 配送無料
 〜Barnes & Nobles (http://www.barnesandnoble.com/)


多くのサイトでは、配送量無料キャンペーンを展開しています。バッグ類全般を取り扱うEBagsでは11月中旬に配送量無料キャンペーンを発表したところ(現在は終了)、その後2週間で、84%の売上アップに成功しました。普段より物を多く購入するこの時期は、少しでも安くほうが良いと言うのが、消費者の素直な心境でしょう。クリスマス時期に合わせ、より普段より買い物をしやすいように、配送料無料キャンペーン等も同時に行い、セール価格やその他プロモーションを同時に仕掛け、その成果が売上アップとなりました。決して目新しい方法ではありませんが、的確かつ効果的な手法です。

▼ リアルで買う?ネットで買う?

イーコマース業界のホリデイ・シーズンの全体売上は近年順調に伸びを示しており、まだ伸びると楽観的な意見が多いようです。ヨーロッパ市場も伸びており、今年は北米市場を上回るのではないかと、GartnerG2社は予測しています。クリスマス・ショッピングのために、初めてオンライン・ショッピングを試し、リピーターとなる顧客も多いようです。インターネット利用率の伸びは世界的に一時の勢いはありませんが、イーコマース市場はまだまだ伸びると期待されています。現在アメリカでオンライン・ショッピングをする人の、クリスマス・プレゼント用平均的支出は$800で、そのうち$235はインターネット上で使うと言う調査結果がります。この数字を見ると、イーコマース・サイトにとってクリスマスは、見過ごしてはならない一大イベントです。また機会を見計らって、実際の結果をお伝えできればと思います。

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