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Dr. KUBOの英文Webサイト診断(17)
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ウェブサイトを利用したブランド力向上
〜海外ビール業界サイト・レビュー〜


2005年09月20日

一般消費者向けプロダクト・サイトやブランド・サイトにおいては、何をアピールすることが重要でしょうか?
PCのような商品であれば機能やスペックをメインに押し出して購買欲を促します。洋服などの場合は商品の詳細を掲載するより、サイトの見た目やデザインに力をいれ、商品を魅力的に見せることが重要です。
今回は様々なスタイルのプロダクト・サイトを海外ビール業界から取り上げ、各社がインターネット上でどのような販売戦略を展開しているかを検証します。

Budweiser
http://www.budweiser.com/

最近では商品の既成概念にとらわれない、より自由なサイトが増えてきました。商品の説明だけではなく、独自のメディアをサイト上で展開し、さまざまな手法で顧客に楽しんでもらい、結果としてその商品のファンになってもらおうという試みです。
アメリカ最大手ビール・メーカーBudweiserのサイトでは、まずメニュー構成が普通のプロダクト・サイトとは違うことに気付きます。

メインとなるメニュー項目は以下の用に並べられています。

Beer / Racing / Retro / Entertainment / Music / Mobile / Game Time / Bud shop

Beer, Racing, Retroは、商品のアピール、スポンサーになっているレーシングチームの情報など、自社ブランドに直接関係のあるものです。しかし、EntertainmentやMusicの中身を見ると、直接は関係のない、お薦め映画の予告編、新しいバンドを紹介するプロモーションビデオなど、内容は様々です。「商品を買って」といったダイレクトな宣伝ではなく、まずは楽しんでもらおう、といったサービス精神を感じます。budweiser.com というメールアドレスも無料で提供されており、コミュニティーサイトの要素もみられます。

確かにビールのプロダクト・サイトにアクセスする顧客は、成分の詳細を調べるというより、何かイベントを求めて、というケースが多いでしょう。最新映画の話題とセンスの良いMTVを提供することで、ビール自体のブランド・イメージもアップするわけです。日本でも最近、コラボレーション型の広告が話題となっていますが、Budweiserは従来の企業サイトの枠にとらわれず、業種を越えてコラボレートすることで、単なる商品の紹介にとどまらず、ひとつのメディアチャンネルを提供しています。そこからBudweiserカルチャーとでもいうべき情報を発信し、幅広い顧客層を獲得することに成功しています。

Corona
http://www.corona.com

メキシコのCoronaのサイトはとてもシンプルな構成となっており、商品のコンセプト、詳細情報など一切ありません。コンテンツとしてあるのは、スライドショー感覚で鑑賞するビーチ/リゾートのイメージとそれに付随したプロモーションビデオのみ。情報過多ぎみのプロダクト・サイトの中にあって、これで大丈夫?と心配になるほど。しかしサイトの意図は、はっきりと伝わってきます。あまり考えすぎずに、 Corona を飲んで楽しんでリラックスしてください、というメッセージは明快です。

Guinness Beer
http://www.guinness.com/row_en/

アイルランドのギネスのサイトは、今回の中では一番オーソドックスなプロダクト・サイトです。歴史(story)があり商品説明(the beer)があり工場の説明もあり、商品をしっかり見せるサイトになっています。伝統と古くからの製法も、丁寧に説明されています。Guinness の強みは、独特な味はもちろんですが、歴史やアイルランドの風土といったオリジナリティーを前面に出すことです。へたにまわりに流されず、自分たちの商品への信念が強く感じられるサイトになっています。


「ビール」のような商品は、誰もが身近な生活の一部として親しんでいるものです。そのため各社は、商品そのものをアピールすること以上に、その「ビール」のある“ライフスタイル”に魅力を感じてもらえるよう、さまざまな工夫を試みています。結果として、良くできた「ビール」サイトは、また良くできたカルチャー・ポータル・サイトとしても機能しているといえるでしょう。
このことは、一般消費者向けプロダクト・サイトのブランド力向上の一手法として、可能性を示唆しているといえるかもしれません。


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